「油脂を含有しないソフトカプセル」岐阜県知事賞を受賞
TOPICS「油脂を含有しないソフトカプセル」岐阜県知事賞を受賞
健康食品受託製造会社の中日本カプセル株式会社は、ソフトカプセル製造の特許技術「油脂を含有しないソフトカプセル」(特許番号:第5283654号)が、令和6年度中部地方発明表彰にて岐阜県知事賞を受賞したことをお知らせいたします。
(表彰式の様子、受賞された弊社代表と経営企画室 室長と開発部)
◆受賞した発明の概要
本発明は、ソフトカプセルの内容液に配合する油脂の代替素材を見出したものであり、必ずしも油脂を必要としないソフトカプセルの提供が可能となりました。
ソフトカプセルの内容液は、油溶性の油状製剤であり、配合する有効成分の物性に応じて様々な工夫を施します。例えば、室温で油状の油溶性薬剤であればそのまま内容液として充填可能ですが、それ以外の場合は、内容液に適した流動性を付与し、有効成分の分散安定性を高める目的で、分散剤や賦形油を添加し、内容液を調製しています。
しかしながら、賦形油に使用される油脂は、体内組織において中性脂肪の大部分を占める物質であり、製剤化のために配合される油脂によって、健康志向の高い需要者には敬遠される恐れがありました。また、原材料表示においては、内容液の主原料となる賦形油が先頭に表示されてしまうことによって、本来の有効成分を効果的にPRできないという課題がありました。
本発明では、「ジアセチルモノアシルグリセリン」が油脂に代替できることを見出し、ジアセチルモノアシルを油脂の代わりに配合することで、油脂を含有しないソフトカプセルの製造が可能となりました。
◆ジアセチルモノアシルグリセリンの概要
ジアセチルモノアシルグリセリンは、モノグリセリド誘導体であり、モノグリセリドの二つの水酸基がいずれもアセチル化された物質です。モノグリセリド誘導体のうち、酢酸を含む5種類の有機酸、すなわち、酢酸、クエン酸、コハク酸、ジアセチル酒石酸、乳酸、によってモノグリセリドがエステル化されたモノグリセリド誘導体(有機酸モノグリセリド)は、食品衛生法で食品添加物として許可されており、グリセリン脂肪酸エステルの名称のもとで使用されています。
本発明に使用されるジアセチルモノアシルグリセリンは酢酸モノグリセリドであり、従来よりチューイングガム、チョコレート、マーガリン、バタークリーム等の可塑剤、進展性の改良、ソーセージ、ナッツ、キャンディー等のコーティング、ホイップクリームの気泡性の改良などに利用されています。
◆本発明の採用をご検討いただけるお客様へ
本発明を採用いただくと、以下のようなお悩みを解決できると考えております。
- ソフトカプセルの製剤化には、油脂の配合が必要だと言われ、健康志向なターゲット層に受け入れられるのか不安…
→本発明を利用すると、必ずしも油脂の配合は必要ありません!また、油脂の代わりに配合するジアセチルモノアシルグリセリンは、体内代謝によって酢酸が遊離するため、ダイエットや美容を訴求する製品との相性が良く、他製品との差別化を図ることも可能です。
- ソフトカプセルの原材料表示には、有効成分でない「○○油」が先頭に来ることが多く、消費者に製品の有効性を適切にPRできているのか不安…
→本発明を利用すると、必ずしも油脂の配合は必要ないため、「○○油」という表示は不要となります!(油脂の代わりに配合するジアセチルモノアシルグリセリンは、食品添加物であるグリセリン脂肪酸エステルとして表示されます)そのため、ご希望の有効成分を先頭に表示させることが容易となり、自社製品の効果的な宣伝、PRが可能になります。
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